池上の家
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築76年の住宅の改修計画です.およそ設計者の倍にもなる時間の流れを生きてきた住宅の再生には様々な問題が立ちふさがり,気が付けば初期の計画から足かけ2年もの時間が過ぎていました.
計画は大きく分けて構造改修(ハード)と,生活の改修とも言うべきプランニング(ソフト)の両面によって成り立っています.構造改修については,無筋かつ中性化した基礎を新規の布基礎で内外からサンドイッチすることにより補強し,また外壁面や水平面を合板下地で固めることにより建物中央部に偏っていた応力を外側に逃がし,複雑に絡み合ったプランニングと構造の問題を切り離しています.
またプランニングではコアとなる水回りと家族の間との関係を整理し,分断された個室群と,昭和初期の古き良き洋館の雰囲気を留めるダイニング,高い天井と趣ある縁側を持つ和室空間とをいかにつなげるかという部分に最も力を注いでいます.
所在地:東京都大田区
用途地域:第一種低層住居専用地域
構造規模:木造地上2階建て
敷地面積:307.93m²/93.14坪
建築面積:142.32m²/43.05坪
延床面積:228.35m²/69.07坪
設計期間:08/06-09/10
工事期間:10/02-10/08
施工:ホープス
構造補強監修:山田憲明(増田建築構造事務所)
ステンドグラス改修:松本一郎(松本ステンドグラス製作所)
撮影:後関勝也(バウハウスネオ)
築76年の住宅の改修計画です.およそ設計者の倍にもなる時間の流れを生きてきた住宅の再生には様々な問題が立ちふさがり,気が付けば初期の計画から足かけ2年もの時間が過ぎていました.
計画は大きく分けて構造改修(ハード)と,生活の改修とも言うべきプランニング(ソフト)の両面によって成り立っています.構造改修については,無筋かつ中性化した基礎を新規の布基礎で内外からサンドイッチすることにより補強し,また外壁面や水平面を合板下地で固めることにより建物中央部に偏っていた応力を外側に逃がし,複雑に絡み合ったプランニングと構造の問題を切り離しています.
またプランニングではコアとなる水回りと家族の間との関係を整理し,分断された個室群と,昭和初期の古き良き洋館の雰囲気を留めるダイニング,高い天井と趣ある縁側を持つ和室空間とをいかにつなげるかという部分に最も力を注いでいます.