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現場の怪談

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sekimoto

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> 仕事



その昔、たまたま現場に立ち寄ったお施主さんから「フローリングが現場に納品されていたけれど、スペックと違うラベルが貼ってあった」と連絡を頂いたことがあった。

現場に確認したところ、手違いからやはり違うフローリングが納品されていたことがわかった。その日お施主さんがたまたま見て指摘していなかったら、翌日から大工さんは一斉に床を張るところだった。僕らが行った頃にはきっと養生が終わっていて、次に見るのはクリーニングの時だったことだろう。このことを思い出すと今でも血の気が引く。

それに教訓を得て、その次の現場では納品されたフローリングを施工前に監督に開梱してもらった。幸いそのフローリングはスペック通りで間違いはなかったけれど、安いと思って飛びついたチークのユニジョイント品は酷い品質で、色違いも激しく、極端に短い端材の寄せ集めのような代物だった。

またしても血の気が引いた。写真を撮って施主に送ると、案の定思っていたのと違うとの回答。それは私も同感だった。拝み倒して返品してもらい、同じコストの別のフローリングに変更してことなきを得た。あのまま張られていたらどうなっていたのだろう、、?私は一度ならず二度も命拾いしたことになる。

今でも現場にフローリングが入荷すると開梱チェックをするようにしている。しかしそれ以来そのようなことは起きていない。この現場のフローリングも無事合格!

そんな「実際にあった恐ろしい話」は時に怪談よりも恐ろしく、また監督との立ち話ではすべらない鉄板のネタにもなる。