今日は日大理工4年生の卒業設計の公開審査会があり参加させて頂いた.今日は一次審査で,この中から選ばれた10点が明日の二次審査に進むことができるらしい.
ちなみにこの学年は私が大学で教えさせて頂いた最初の学生でもあり,知っている学生も多く,少し感慨にふけりながらも厳しく?審査をさせて頂いた.

全体に言えるのは,我々の頃と違ってCADやグラフィックソフトを多用し,おそらくは直前に出力したものをそのまま貼りつけていることもあり,おしなべて情報が平坦で,こちらが眉間にしわを寄せて読み込んでいかないと,設計の意図や情報がなかなか頭に入ってこないものが多かった.

デジタル情報はこういう時には圧倒的に訴求性に欠ける.むしろ手描き(ハンドドローイング)や,まわりくどい説明は省いた簡潔な説明や形の方が自分の心にはよく響いた.

また自分の設計意図をしっかり相手に伝えようとする努力の跡が見えるものもあれば,全くそれを放棄しているものまであって,後者の場合はもはや図面を見る気もおきず,申し訳ないけれど一瞬で審査が終わったものもあった(実は半分くらいはそうだった).

でも社会に出たらそういうものだ.4年間の集大成を相手に伝えるということに対してどこまで真剣に向き合えたか,というところで明暗は分かれたようにも思う.

ともあれ,学生達の渾身のエネルギーの塊をいささか駆け足気味に眺めて審査票を出してきた.明日の二次審査には参加できないけれど,今年の桜建賞(最優秀賞)を手にするのは誰なのか,勝手に予想などしてみる.一応かつての受賞者として.

(まだ審査途中なので,写真は控えさせてもらいました)