息子がまた何かをつくりはじめました。今度は「三日月宗近」をつくるそうです。
三日月宗近は平安時代に作られた名刀、ということのようですが、おそらく息子としては平安時代の云々という謂われはどうでもよく、ゲームのキャラクターが持っていたこのアイテムが欲しかったのだろうと思います。
欲しかったらお金を出せば何でも買えるこの時代、欲しかったら自分で作るという発想は息子ながらに褒めてやりたいと思いますが、ただこれちょっと難易度が高そうです。週末仕事の傍ら一緒に作ることにしました。
二人で剣を作るのはこれで3回目なので、だいぶ要領を得てきました。材料も揃っています。ということで、ほんの半日ほどで完成。今回は三日月宗近を正確に再現し、刀を少ししならせた形にしています。
今回の力作はこの持ち手の部分。平紐をねじりながら巻いてゆくことで、本物らしい握りとなりました。
これ全部をこのクオリティで作るのは、もちろん息子一人では無理なので私が手伝っていますが、けして私が作ってあげたわけではありません。全体をこうしたいという構想や、色も彼が自分で考えて塗料を買ってきましたし、握りの平紐も彼が手芸店で買い、彼がネットで巻き方を調べて、それを見ながら二人で巻きました。
思えば設計やデザインも、考えるのは我々ですが、作るのは職人さんや専門工なんですよね。
息子はお世辞にも手先が器用とは言えないので、たぶん製作は今後も苦手なんだろうなと思いますが、こういうものを作りたいという意志と、どうすれば良いかを考える頭、そして具体的な方法論だけ身につけることができれば、私のような”職人”の力を借りてでも物づくりをすることはできるということです。
彼にはまだそんなことはわからないかもしれませんが、物づくりの楽しさとともに、どこかにこうした経験を記憶を留めてくれたら良いなと思います。
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