A DAY IN HELSINKI


A Guide for Your Short Stay in Helsinki
(2001年8月現在の情報です)


はじめに

ヘルシンキって、はてどんなところ?

おそらく建築家アルヴァー・アールトなどに興味のある建築好きか、知り合いでもいない限り行ってみようなんて人はほとんどいないのではないでしょうか?そもそもヘルシンキはどこにあるのか?フィンランドの南端、対岸にはエストニアを望み”バルト海の乙女(ハヴィス・アマンダ)”の愛称を持つ美しい街です。
街の印象はとにかくこざっぱり。市内にはほとんど高い建物が無いので、空が広い!!というのが僕の第一印象でした。街並みは良くも悪くも”古き良き”面影を残した典型的なヨーロッパの小都市。しかしその古い衣を一枚めくると網の目のように巡らされたネットワーク網、インターネット、携帯電話とこの国のハイテク事情をよく表した光景を目にすることができます。そう、この国はかじってみないと中身が分からない不思議な国。なかなか短い滞在ではこの国の味はわからないでしょう、というわけでこのページはヘルシンキ滞在中の本人が、短期滞在者のためにそのオイシイところをしっかりと紹介しようとするものです。
今回はとりあえず建築以外の見所を御案内しようと思います。

(冬季はクローズするスポットや屋外施設は省きました)

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Helsinki Guide Map




- INDEX-


フライト

空港

ホテル

レストラン・カフェ

美術館・博物館

ショッピング

インターネット






フライト



フィンランドへはFINNAIRが直通で結んでおり、日本からは往路10時間30分、復路9時間30分。ヨーロッパ最短のルートです。フライトチケットの取り方は基本的に以下の2通りがあります。

ムーミン21/35 (ダイレクトチケット)

フィンランド航空では正規ディスカウント・エコノミークラスチケットとして 、それぞれ21日前、35日前 までに予約する事によってフライトを割引するというムーミン21/35というチケットを発行しています。これは格安航空券とほぼ同レベル(か、やや安い)の値段でもあります。またムーミン21 では+15000円で他のヨーロッパ都市にも足を伸ばす事も可能です。
ちなみに11/28〜12/21、1/9〜2/1が一番安くて、ムーミン21 で99000円、ムーミン35で86000円です(2000/2001年)。
詳細はフィンランド航空のホームページを参照下さい。

格安航空券

ショップはいろいろとありますが、僕は個人的に
ホライゾン(渋谷 tel: 03-3770-0149)という旅行会社にいつもお願いしていました。北欧方面に強く、対応も親切で融通をきかせてもらっているので助かっています。
僕の経験では、フィンエアーは便数が少ないせいかすぐ予約が埋まってしまうのですが、1ヶ月を切った頃からキャンセルが出始め、だいたいキャンセル待ちで取れるケースも多いです。あきらめないで待ちましょう!




空港



ヘルシンキ・ヴァンター空港で荷物を受け取って外に出ると、まず右手奥にEXCHANGEがあります。ただしここのレートはあまりよろしくないので、最低限のお金だけの両替に留めます。両替は市内にあるFOREXが結構レートが良いようです。
空港から市内へはタクシー、バス、イエロータクシーがそれぞれあります。イエロー〜は利用したことないのですが、FINNAIRバスが空港出口からすぐ出ていて、こちらは27FIM(約500円)。路線バスなら15FIM(約290円)。タクシーだと中央駅まで約150FIM(約2900円)ぐらいだったと思います。時間はそれぞれ20分くらい。個人的にはFINNAIRバスが一番便利なのでお勧めです。



ホテル



ルシンキのホテル事情としては全体的に相場は高いです。
だいたい日本と同じくらいと考えて下さい。ただしツインルームなどは日本と違い
一部屋料金なので、2人で泊まるとかなり割安に泊まることは可能です。値段は高めですが、ホテルはおしなべて非常に清潔で設備もびっくりするぐらい充実していたりします。お水もそのまま飲めます。北欧ならではの造り(3重窓、暖色系の内装、共用サウナ、分厚い外壁など)にも注目です。もし予約も取れずホテルを探す気力もなければ、迷わず中央駅のホテル案内所に行きましょう。40FIM(約800円)ほどの手数料でホテルを予約してくれます。このページでは経験や評判からおすすめのホテルを予算別にセレクトして御紹介します。

(参考 約19円/FIM ・2001年5月現在)



OMAPOHJA (オマポヒャ)
Itainen Teatterikuja 3
シングル 230FIM〜/ ツイン310FIM〜


一般のホテルのなかでは市内で一番安いのがここ。立地も駅前の国立劇場の隣でかなりの一等地。シャワートイレ共同、トイレ付き、トイレ・シャワー付きの3種類部屋がある。実はこの隣にあったマルガリータというホテルを良く利用していたのだが、最近クローズしてしまった(らしい?)。でもシステムや値段などはほとんど同じ。泊まった人の話では清潔で、朝食も付いていたとか。
予約はFAX(+358-9-6228-0053)でもできます。すぐ埋まってしまうので予約はお早めに。

HELKA (ヘルカ)
Pohjoinen Rautatienkatu 23
シングル 580FIM〜/ ツイン720FIM〜(朝食込み)
(金・土泊 シングル400FIM / ツイン540FIM)

市街からもほど近い。地元では安くて良いホテル、という評判。部屋は小さめ。こじんまりとしているが、清潔でごく標準的なランクのホテル。Reservation Formはこちら。詳しくは、ホームページ参照。

SEASIDE HOTEL 
Ruoholahdenranta 3

シングル 690FIM〜/ ツイン840FIM〜(朝食込み)

ガイドにはシングル690FIMとあるが、実際530FIMくらいで泊まったことがある。また日本の旅行社を通して予約すると夏の時期でツイン一部屋8000円だったという話も聞いた(一人あたり4000円!?)。部屋も広く、フロントやエントランスも非常にモダンできれい。驚くのはその設備で、各部屋のテレビからインターネットが出来たり、パソコン用の電話端末も用意している。FAXの貸し出しもあり。朝食もけっこう充実していた。中心街からは離れるが、目の前までトラムが来ているのでほとんど不便は感じない。値段からみればかなりお得なホテル。日本人観光客にはお勧めです。


SOKOS HOTEL HELSINKI 
Ylopistonkatu 8

シングル 670FIM〜/ ツイン800FIM〜

中心街のど真ん中。駅からも近く、ショッピングには便利。フロント周り
は狭いが、部屋は広く、インテリアがポップでおしゃれ。特にカップルなどにはおすすめかも。日本の旅行社を通して予約するとツイン一部屋10000円ぐらいらしいです。朝食は別料金でした。

SCANDIC HOTEL  (シモンケンタ)
Simonkatu
シングル 855FIM〜/ ツイン1055FIM〜(朝食込み)
(金土泊 シングル、ツイン共に590FIM)

この夏(2000年)完成したばかりのヘルシンキで今最も話題の「環境にやさしいホテル」。内装材の97%にリサイクル材を使用しています。
部屋はチークのフローリング張りで、ハブラシなど使い捨ての備品は置かないという徹底ぶり。モーニングビュッフェもとてもおいしくてお勧め。最上階にはサウナ付きの部屋(President Sweet 4800FIM〜)も12部屋ほどあります。駅西側のKamppiバスステーションの目の前。




レストラン・カフェ



さて、ホテルに着いて一息ついたら次は食事です。残念ながら経験上、初めてヘルシンキの街を歩いておいしいお店を見つけることは至難の業です。レストランを見つけても、そこから店内に入るのも少し躊躇します。なぜならこちらの「レストラン(ラビントラ)」は絶対数が少ないのと、おしなべて店内が暗く、テーブルのキャンドルしか灯っていないようなお店が多いからです。営業しているのかさえ区別がつかない時もあります。また予約がないと一般的には入れてもらえない事も多いです。またフィンランドにはフィンランド料理というものは無い、というのも有名な話(実際にはトナカイ肉やマッシュルームを使った料理などはあります)。どうやら北欧の人たちにとって外食というのは結構特殊な存在で、ゲストが来たりクリスマスや誕生日など特別の日はむしろホームパーティーをするのが一般的です。従って「フィンランド料理=家庭の味」というわけで、これらを食べさせるお店というのは旅行者向け、ということになるのかもしれません。
またそれならと、近くのバールやカフェに入っても戸惑います。こちらは原則的にセルフサービスですので、席に座っていても注文は取ってくれません。まずカウンターで注文してお金を払ってから席に着くようにしましょう。ここでは現地で生活する私たちですら苦労する外食事情の中から厳選して、初心者(?)でも安心して入れるお店を紹介します。


- レストラン (ラビントラ)


Savoy (サボイ)
Etelaesplanadi 14 / tel: 684-4020 要予約

言わずと知れたアルヴァー・アールトの設計によるヘルシンキのトップ・レストラン。ここのレストランの名前がついたアールトデザインのSavoy Vaseもまた有名。トップフロアに位置し、ここから眺めるヘルシンキの風景もまた格別。フィンランドの伝統料理をベースとしたコンチネンタル料理。

Talon Tapaan (タロン・タパーン)
Salomonkatu 19 / tel: 685-6606 要予約

フィンランドの伝統料理を現代風にアレンジした料理。店員の人も親切で、その日のおすすめを教えてくれる。比較的リーズナブルだし、とてもおいしい。おすすめはサーモンとトナカイ盛り合わせ、ウサギのステーキ、マッシュルームスープなど。ヘルシンキに来た人を必ず連れていくレストラン。

PAPA GIOVANNI (パパ・ジョバンニ)
SKeskuskatu 7, World trade center plaza/ tel: 622-6010

ヘルシンキで比較的おいしいイタリアンが食べられるお店。予約は無くても大丈夫なことが多い。パスタランチも安くて、結構おいしい。ここはヘルシンキのレストランランキングで常にトップクラスにランクしているのだが、意外と知られていない。食事に困ったらここ。


 - 軽食 / BAR / Cafe
Kuppi Kahviaも参照して下さい)


Iguana (イグアナ)

ヘルシンキ市内で一番よく見かけるのがこのメキシコ料理のお店。ピザ、ブリトー、タコスなど。遅くまで開いているのと、セルフサービスなので気軽に行けるのがいい。人数が多くて予約もない時は迷わずいつもここに行く。エスプラナディに並行するAleksanterin通りのお店は比較的広くてお気に入り。

Pravda (プラブダ)
Etelaesplanadi 18

アールトの家具ショップ・アルテックと内部でもつながっている、おしゃれなカフェバー。お昼はランチも食べられる。インテリアは現代フィンランドデザインを象徴するような斬新なアイデアにあふれているが、リビングルームを意識した造りは意外と落ち着いて心地いい。ここに来たらまずトイレに行くことを勧める。おもしろい(?)ですよ。

Cafe Kiasma (カフェ・キアズマ)
Mannerheiminaukio 2

現代美術館KIASMAの1階にあるカフェ。ランチメニューはいつも工夫が凝らされた北欧料理でとてもおいしい。ここのケーキやデニッシュもとてもおいしいので、いつもここのカフェだけを利用することが多い。日曜の朝に朝食をかねて来ると、人がほとんど居ず贅沢な時間を過ごせる。

中央郵便局のカフェ

郵便局内の郵便博物館の手前にあるカフェ。小さいけれど、ここの日替わりスープランチはすこぶるおいしくてちょっとした穴場。コーヒーもおいしいし、安い。




美術館・博物館



さてたっぷり休んだ後は街に出かけましょう。
ヘルシンキにはあまり観光で見てまわるような所は少ないのですが、美術館や博物館は比較的多くあります。その中でもお勧めの場所をお教えします。


Kiasma (キアズマ)
Mannerheiminaukio 2/ 月休/ 25mk

国際コンペにより米の建築家スティーブン・ホールが設計した現代美術館。前面の氷のようなフロストガラスは夕暮れ時は幻想的。内部空間もダイナミックで、ポップアートを引き立たせている。国内外からも評価が高い。

Museum of Art & Design
Korkeavuorenkatu 23/ 無休/ 50mk

フィンランド・デザインの数々を展示する1階の常設展と、2階の企画展フロアに別れ、非常に興味深い企画展示を行っている。1階のミュージアムショップもなかなかおもしろい。

アラビア社博物館
Hameentie 135/ 無休/ 10mk

中心からは少し離れる。6番トラムの終点下車、アラビアの旧工場跡。素っ気なく(なげやりに?)置かれたアラビア社歴代の陶器たちは、これがどうしてとても素晴らしい。特に50〜60年代の陶器のデザインはとても暖かみがあって、色彩もとてもあざやか。個人的には好きな博物館です。

ヴィトレスク博物館
Hvittrask/ 11-3月の月休/ 20mk

ヘルシンキ中央駅の設計でも有名な、エリエル・サーリネン(1873-1950)と彼と共働していた建築家達の住宅兼アトリエを現在博物館として公開している。建築に興味ない人でもぜひ一度行ってみて下さい。質素ですがとてもセンスの良い近代フィンランドの住まい方の原点がここにはあります。周囲の美しい自然や付属のゲセリウスの旧住宅を改装したレストランのランチもまたお勧めです。

LINJA(KAMPPI)バスステーションよりバス166番(バス停NO.60)。平・休日共に10:14のバスに乗らないと13:14までバスは無いので注意(2000/11現在)。片道約一時間。バスは29MK。




ショッピング



やっぱり一般旅行者にとっての一番の楽しみは、やはりショッピングでしょう。フィンランドの特産と言えばなに?はっきり言いましょう。「デザイン」です。美しいガラス食器や陶器、家具、ステーショナリー、ファッション...。そのどれもが毎月のように日本のインテリア雑誌を賑わせているものばかりです。物価の高いフィンランドにおいて唯一日本より安く買える品物かもしれません。少なくとも市内のストックマンデパートなどに行けば一通り全て置いてありますが、高い!こっちに住んでいる人たちはそういう所では買わないのです。どこで買うか?それではこっそりお教えしましょう。


アラビア社博物館・ショップ
Hameentie 135

入ってすぐ正面に位置するショップでは、アラビア社をはじめとしてイーッタラ社のグラスやその他のキッチンウェアも扱っている。そこでの注目はこれらのアウトレット商品。厳しい品質チェックからはねられた製品を安く売っているのだが、素人目にはほとんど正規品と見分けがつかない。高くて買えなかった器もここなら手に入ります。その他にもバーゲン品もあったりして思わぬ値段で購入できることもある。


Anttila(アンティラ)
日休

市内にも数カ所あるアンティラは生活雑貨から洋服、電気製品まで扱う庶民的デパート。アラビアの食器などもたまにすごく安く売っていたりしてびっくりする。駅向かい側にあるアンティラが比較的大きくて品揃えも豊富。

キセレフ・バザール

Unionkatu 27 /日休

フィンランドの伝統的なハンドクラフト製品のお店が集まったショッピングモール。1階のOKURAなどでは若手デザイナーの製作したカラフルなガラス食器やアクセサリー、一点物の作品が手頃な値段で買える。手編みの北欧風セーターのお店「SYPRESSI」もこの中。

ALKO
日休

フィンランドではアルコールの高いお酒はすべて国営のALKOでないと買えません。こちらも市内至る所にあります。「お酒は空港で買うから」という人も多いと思いますが、空港では売っていないお酒も多いんですよ(コスケン・コルヴァ、特にベリーの白ワインはおすすめ!)。また空港で売っているお酒はプラスティック瓶なので、
ガラスの美しいビンは市内で買うことをお勧めします。

中央郵便局
駅前/ 無休

こちらの郵便局もあなどれません。気のきいたポストカードやレターセット、美しい記念切手、その他郵便グッズが充実していてちょっとしたおみやげに最適だと思います。


アカデミア書店
Pohjoisesplanadi 39/ 日休

アルヴァーアールト設計のこちらは書店。規模は北欧最大。北欧に関する書籍や建築書・デザイン書も多い。ヘルシンキの広域地図や案内図もここで買うとよい。空間も非常に開放的で、吹き抜け2階にあるカフェ・アールトでコーヒーも飲める。

フィンランド建築博物館・書籍コーナー
Kasarmikatu 24/ 月休

建築書であればまずここ。入って右側のカウンターの前にフィンランドの建築に関する書籍が揃っている。ちなみに入って左側は
建築図書館になっていて自由に閲覧ができる。

ANNANKATU
(アンナン通り)

家具や骨董に興味がある人はこの通り。アールトをはじめとした北欧家具の中古、アンティークなどを扱うお店が軒を連ねている。北欧食器の骨董品などもあるが、日本での値段を知っているとその安値に驚くこともしばしば。

ESPLANADI(エスプラナーディ通り)

高いとはいえ、やはりヘルシンキでの買い物の王道はここでしょう。ファッションをはじめとしてヘルシンキの第一線級のデザインショップが軒を連ねます。ここで
ウィンドウショッピングをして、実際には安いお店で買うことをお勧めします。




インターネット



LASI PALATSI (ラシ・パラツィ)

KIASMAから通りを挟んで向かい側に「BIO REX」というネオンサインが見えると思います。「ガラス宮(Lasi-Palatsi)」の愛称を持つこの建物は1930年代の建築ですが、その中身は...外観と似ても似つかぬヘルシンキ一のハイテクビル。大幅に改装を繰り返されてきた内部は現在複数のテレビ局が入り公開生放送を行っているほか、携帯電話ショップ、パソコンショップ、インターネットカフェが入る一大メディアセンターです。2階はヘルシンキ市立図書館になっていて予約制でパソコンを利用できます(30分間のみ・無料・要パスポート)。一部を除いては日本語の表示もできます(一部日本語作文も可)。HOTMAILなどのPOPメール機能を使えばここからメールチェックも出来ます。

また、自分のラップトップとLANカード/ケーブルさえあればここのジャックに差して好きな時間使用する事が可能です。詳しい設定などはカウンターで問合わせて下さい。

> Cable Book Library (Lasipalatsi2階)
月−木 10:00−20:00
金・土 CLOSED
12:00−18:00
 
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その他、街中の建物で薄い自立型の端末を見かけることがあります。これらは画面タッチ式のインターネットボードになっていて、自由にサイトなどを見ることができます。ただし日本語は文字化けします。あしからず。





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