17. 05 / 24

潜入捜査



今日は千葉に潜りに行ってきました!
どこにって床下に。

10年以上前に設計した住宅の床下に、水が溜まっているとのご報告を頂きました。この住宅は当初の工務店さんが倒れてしまったため、こういう時も工務店さんに頼ることが出来ません。

自分が設計した住宅に、床下点検口から潜り込むのは初めての経験。水が溜まっているということだったのでこの日は水着着用。全身水に浸かりながら、ほふく前進で隅々まで洞窟探検してきました。

建築は常に水との戦いです。そしてその原因究明は、迷宮入りの事件で犯人を追い詰める刑事のごとしです。この日ももはや手詰まりか!からの光明を見出し、ほぼ犯人を絞り込みました。逮捕状持ってまた来るから、首を洗って待っとけよ!


一昨日、昨日と開催しました「路地の家」のオープンハウスでは大変多くの方々にお越し頂きました。まずは足をお運び下さった皆様に、この場を借りて御礼申し上げます。

「路地の家」では細い路地に生まれた小さなオープンスペースを活かした開放的な作りにすること、またただ収容量があるだけでなく、見て楽しめる”見せる書架”としての本棚を作るというのが、クライアントから求められた二つの大きなご要望でした。


前者の路地に開放的な作りにするという点に於いてはプランニングが、後者の見せる書架にあたっては、安全かつ機能的に出し入れが出来るという点に於いて、美観と高い技術的解決とがそれぞれ求められました。

北側玄関側のファサードは、ストイックな切妻屋根とガラス窓、そして玄関扉だけがあります。対照的に、南側路地には大きく開かれ、上部に小さな小窓がアクセントのように付いています。



通常ファサードというものは意図的に作る部分と、”そうなってしまった”部分とがありますが、この住宅のファサードはかなり意識的に、意図的に作られています。

うちの事務所はなぜかグラフィックデザイナーのクライアントが多いのですが、この方達はまず例外なく線の美しさにこだわり、理屈をこねる前に手が動き、こういうものが良いということを直感的に導かれる傾向があるような気がします。

グラフィックデザインで言えば、ある意味窓位置は”文字組み”であり、その大きさは”フォントの級数”みたいなものです。それらが溶け合い、違和感なく”気持ちよい”と感じる状態に落ち着くことが、住まう方の空間の気持ち良さにもつながるような気がします。

前述のグラフィックデザイナーのクライアントが多いという理由は、きっと私自身、とても”グラフィックにうるさい(=めんどくさい?)”人間であるということとも無関係ではないかもしれません笑




リビングの建具を開け放つと、外部と大きくつながります。更に木製の門扉も開け放てば、路地空間とも一体でつながります。オープンハウス時は最高の天気に恵まれましたので、この気持ちよいつながりを皆さんに体感して頂けて良かったです。

リビングは敷地の高低差を利用して床をスキップさせ、玄関側より360mm床を下げています。そのことと併せ、階高を通常より高めの2,910mmにすることで、リビングの天井高を3.2mまで確保しています。

いわゆるこうした住宅密集地で、住宅のリビングを1階に設けると、光が入らず暗く陰鬱な感じになることがありますが、この住宅では開口部を大きく取ったことや、天井を可能な限り高くしたことで、1階であっても明るく開放的な作りにすることが出来たと思います。



一方の書架には、昨日のオープンハウスではクライアント自ら、ご自身のこれまでのお仕事の一部を展示下さいました。これが入ったことで、俄然この空間が引き締まりました。こうしたお仕事を巡っての思考についてもお話が伺えて、とても楽しかったです。



そしてこれがいよいよ目玉の”見せる書架”です。これについては、写真ではなかなか説明しきれないので、以下に動画をアップします。是非こちらで見てみて下さい。

【床パネル開閉動画】

本棚全景(上から)
本棚全景(下から)
可動パネル機構(上から)
可動パネル機構(下から)
パネルを固定する



30~40kgにもなる床パネルの上げ下げには、ガスダンパーという機構を使っています。車のハッチバックなどに使われている機構で、建築に使われることは少ないのですが、今回この機構に出会ったことで、ようやくアイデアが実現に向けて動き始めました。最初に言い出したクライアントですら、本当に実現したことに驚かれていたほどです笑

機構の調整にあたっては、メーカーのスガツネさんにも多大な技術協力を頂きました。こちらもこの場をお借りして御礼申し上げます。



個人的には、この最上部に設けた小部屋が気に入っています。

こういう部屋って、意味もなくワクワクしますよね。色使いにもちょっと遊びを入れたりして、小さなお子さんがいるお宅だと、こういう所で想像力が育まれるような気がします。


あとは随所のこんなスイッチや小物、引手などにも反応された方がいっぱいいらっしゃいました。こういう部分は、我々の趣味というよりはクライアントのご趣味に委ねている部分です。今回こうしたアンティーク系のものがお好きな方でしたので、自由に選んで頂き現場に取り付けて頂きました。

家づくりでは、こういうちょっとしたスパイスの部分もとても重要だと常々感じています。



今回の住宅は、去年入社したばかりの新人・砂庭さんに担当してもらいました。私ですら腰が引けるほどの難しい住宅でしたが、既に退所した山口くんのサポートなども借りながら、最後まで立派に務めあげてくれました。上の写真は、見学にいらして下さった建築家の伊礼智さんに労いの言葉をかけて頂いているところです。

彼女は大学の卒業設計に、こうした街に開かれた住宅のあり方をテーマに選んでいましたので、彼女にとっても建築の理想と現実について学ぶ良い機会になったことと思います。けれども、一方では学生が思い描いた夢物語も、しっかり積み上げてゆけば実際にもちゃんとできるのだ、ということも学んでもらえたかなと思っています。


最後に、今回の素晴らしいお仕事の機会を下さいましたクライアントのOさんには心より感謝しております。最後までドキドキしながら現場監理をしていましたが、最後に心から喜んで下さったことが何よりでした。いつもこの瞬間のために仕事をしていると思える瞬間です。

最後に記念写真をパチリ!
関係者の皆さま、お疲れさまでした。


昨日上げたDECOについて、変わった架構(構造)をしているなと思われた方も多いと思うので、少し補足でご説明を。

我々のような設計事務所が設計する家は、変わっていると思われがちです。またデザイン重視で設計をしているとも捉えられているかもしれません。どちらも間違いではないかもしれませんが、本質ではありません。

そうするのが一番合理的だから、そうしているのです。

この程度でしたら難しい架構技術はほとんど要りません。ほぼプレカットのみ(化粧垂木の仕口のみ一部手刻み)でできます。DECOはこの架構のおかげで、2階の空間には柱が一本もありません。

設計するというのは、本来そういうことだと思うのです。

17. 04 / 28

DECO上棟



事務所の近所の現場はじまりました。スタッフと一緒に自転車で通います。本日は上棟、ユニークな架構が組み上がりました。

それにしても我々の住宅はいつも低い。同じ2階建てとは思えない。クライアントと一緒になって、うちが一番低い!と言って喜び合ったのでした。

Uさん、上棟おめでとうございます!


建築家の谷尻誠さんが東京事務所を移し、同時に設けた「社食堂」と称した食堂が話題になっている。いわゆる”社員”向けの食堂を”社会”にも開放するというこの試み、一般の人でも食事が出来るそうだ。

[社食堂] https://www.facebook.com/shashokudo/

ところが、写真を見て「ん?」と思った。
ここってもしかして、と思ったら、5年前にリオタデザインが10周年記念イベントを行わせて頂いたケースギャラリーがあった場所だった。ケースギャラリーも最近場所が移ったのは知っていたけれども、その場所に谷尻さんの事務所が入ったとは知らなかった。

それにしても懐かしい。
そう思って、当時の写真を開いてみた。(2012年10月6日当時)




わずか5年前の出来事とは思えないくらい、当時と今とでは私を取り巻く環境がずいぶん変わってしまった。ここに写るスタッフ達も皆退職し、現在は独立している。当時進行中だった計画は竣工し、いくつかはその後リオタデザインの代表作にもなった。

イベントは2部構成で、1部で私がリオタデザイン10年の歩みをお話しし、その後レセプションを行った。当時のスタッフとアイデアを出し合い、経費を節減しながら手作りで作り上げた会だった。会場を提供して頂いたケースギャラリーの湯川さんにも大変お世話になった。記録写真もいつも竣工写真を撮って頂く後関さんに撮って頂いた。





あらためて写真を見ると、ずいぶんと多くの方に来て頂いていたのだと驚く。その時は必死で、会が終わった後も写真をちゃんと見返すことをしなかった。

今もなお続く人間関係もあれば、ちょっと懐かしい顔もちらほら。それでも、こんな方にも来て頂いていたのだと驚くような顔もあって、今さらながらに冷や汗が出る。

熱が入りすぎて3時間くらいしゃべってしまったこと、思いのほか人がいらして料理が全然足りなかったこと、ご挨拶できなかった方がたくさんいらしたこと。どれも思い出すと「やっちまった」という感じなのだけれど、いらした方の温かな言葉の数々に、スタッフ一同とても報われたことは今でもよく覚えている。





そんなリオタデザインは今年で15周年。

そう書くとそうなんだと思うくらいで、特に感慨も節目感もないのだけれど、あらためてたくさんの方に支えられて今ここにいることを実感する。クライアント、そして一番身近にいて支えてくれる家族やスタッフにも感謝したい。変わらぬ関係でいてくれる仲間達にもありがとうと言いたい。

あと5年、20周年を迎える頃には私は50歳になっている。全く想像がつかない。もっとも、今の自分では想像がつかないようなことになっていてほしい。もちろん良い意味でだけれども。


2012年10月6日
10周年イベント『リオタデザインの10年』@ケースギャラリーにて

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