雨どいメーカーのタニタハウジングウェアさんより、今年の3等級社員研修の講師を頼まれました。3等級社員というのはタニタさん社内の制度で、業務の中枢を担うベテランスタッフの等級だそうです。この日は秋田工場から4名と東京本社から1名が参加されるとのこと。

そんな研修の講師としてお声がけ下さったということで、私としても意気に感じまして、昨年川越に竣工したFPという住宅の見学と、川越の街歩きを盛り込んだ日程を提案させて頂きました。

研修のとりまとめは矢野さんという社員の方が担当されているのですが、この5人の研修のためにこんなガイドまで作られていてびっくり!


「アールト」と書いてあるのは、特に私がアールトの講義をするということではなく、私がフィンランドに留学経験があるので事前にアールトについて勉強しておきましょうと、そんな予習資料まで別に作って事前に配布されていたようです。

こういうところが、いかにもタニタハウジングウェアさんらしいというか、、。とにかく真面目な会社なんです。


まずは川越で集合しまして、FPまでの約30分の道すがら街歩きを楽しみました。そこで早速皆さん写真を撮りまくっています。そうですね、川越と言えば蔵づくりの街です。

どこがそんなにと尋ねれば、


て、そこ!?
なんとご一行様、撮っていたのは蔵づくりではなくなんと「雨どい」。

実は秋田は雪深く、雨どいを付けても壊れてしまうので、自社製品を市内で見かけることはほとんどないのだそうです。これにはびっくりでした。しかも、川越に付いている伝統的な銅製の雨どいの多くは、タニタハウジングウェアさんの製品だということも発覚。これにも驚きました。

タニタさんと言えばガルバリウムの印象が強かったのですが、ガルバはむしろ後発で、会社としては銅製雨どいの歴史の方がはるかに長いのだそうです。

川越のシンボルとも言える「時の鐘」も現在改修中ですが、その前を通るとそこに付けられていたのもやはりタニタさんの銅製雨どい!しかも取り付けて間もなく、まだピカピカのものでした。



よく見ると半丸スタンダードと同じ形状のラッパが見て取れます。これが年月に洗われて味わいを深めてゆくのですね。

その後ご一行もFPに到着し、クライアントのSさんのご厚意もあり内部も仔細に見学させて頂きました。




私の解説もさることながら、クライアントのSさんも事細かにご説明下さいました。また1年以上経過しているとは思えないほどきれいに使って下さっており、タニタ社員さん達も皆びっくりされていました。口をついて出る言葉はただただ「おしゃれ…」。

なかなか人の家を見学させてもらえる機会は少ないので、貴重な体験になったのではないかと思います。Sさん、ご協力ありがとうございました!




その後は駅前に移動してセミナーを行いました。
谷田社長のお話と、その後に私がお話しさせて頂き、最後に社長と対談形式でざっくばらんな意見交換をさせてもらいました。

谷田社長のお話で印象に残ったのは、「きこりが仕事を効率よく進めるには、木を切るだけではなく刃を研がなくてはいけない」というお話。忙しくて刃を研ぐ時間がないと言い訳をしていると、最後には木も切ることが出来なくなってしまう。この日はまさに社員にとって刃を研ぐ日なのだなあと実感しました。

対談でもお話ししたのですが、タニタハウジングウェアさんとのお付き合いも長いのですが、社員は誰をつかまえてもとても真面目で熱心です。一言で言えば「アツい!」。それは金太郎飴のようで、良い会社というのはどこを切っても社員が優秀だと私は思います。世間ではその逆の例も多くあるような気もしますので。

今回は研修の講師ということではありましたが、むしろ私の方が教えられることが多かったように思います。我がリオタデザインも刃をしっかり研いで、どこを切っても優秀な事務所だと言われるように努力したいものです。

最後は都内の谷田社長行きつけのお店「都電テーブル」に移動し、うちのスタッフも合流して打ち上げで締めました。昨日は丸一日となりましたが、どうもお疲れさまでした。またお声がけ下さり、ありがとうございました。本当に楽しい一日でした。

秋田からいらした皆さまは、今日の研修もどうか楽しんで下さい!


建築知識7月号(エクスナレッジ)が届きました。

私は定期購読はしていませんが、現在「リオタのディテール流儀」という連載を持っているため、毎月のように送られてきます。連載以外にも、ほぼ毎号のように何らかの形で記事に関わっているのですが、今月はコレです。


タニタハウジングウェアさんとの記事。いわゆるタイアップ広告というやつです。過去に私のブログでも何度か取り上げましたが、「ensui」というくさり樋を取り付けた「暁の家」にて取材を受けることになりました。

最初にお断りしておきますが、この記事の本文内容についてはすべて真実です。本文は私が語った通りに的確に編集されていますし、タニタハウジングウェアさんのensuiは私のお気に入りで、今もなおいろんな住宅で使っております。(いつもありがとうございます!)

それはいいんですが。
ただまあなんというか。いろいろツッコミどころがあるわけですね。
同業を含めた読者から総ツッコミを受ける前に、私自ら断罪しておきましょう。

まず、


おいっ。

ちがうんですちがうんです。すべてエクスナレッジN山さんの指示なんです。どこ見てんだよって?遠くを見ているわけですよ。憂いの表情でね。だってN山さんがそう言うんだから。あっちの方見て下さいって言うんだからっ。

これくさり樋関係なくね?
て思ったって口に出せないわけですよ。大人ですから。


おいっ。

関本竜太の眼差しってなんだよ。なんでしょう?私にもわかりません。あとでN山さんに聞いて下さい。そもそも関本ってだれだよ。そうそこ。あなたいいツッコミしてますね。


最後に私のプロフィール。
こんなに良く書いて下さって、N山さんったらありがとうございますm(_ _)m

しかし、


「軽妙なトークでも知られる」て。リオタといえばトークですか。
トーク>設計、ですか。

まぁ、間違っていませんが。

「好きな眼鏡はMUUR」
その情報いる?

この号では、別のページでも企業タイアップ記事に登場しておりまして、トップライトメーカーの日本ベルックスさんとも他の建築家さんの事例とともに、「緩斜面の家」のトップライト事例について紹介して頂いております。


タニタハウジングウェアさん、日本ベルックスさん、取材協力を下さいました「暁の家」のSさん、そしてエクスナレッジN山さん、ありがとうございました!

これからも軽妙なトークで、MUURの眼鏡をかけてがんばります。
(設計もがんばります)


さて「タニタプロジェクト」と称したこのブログのシリーズも、ついにPart3に突入です。

2013年に竣工した「しだれ桜の家」にもくさり樋を設けていたのですが、先の「竹林の家」同様ダイヤクロス型のくさり樋を設けていたため、雨が降る度に飛沫が飛び散り、玄関扉やポーチをびしょ濡れにするという問題が起こっていました。


当時はくさり樋といえば、純和風のものか、モダンなものだと今回使用したダイヤクロス型などが主流で、雨がちゃんと落ちるかなんて考えるまでもなく大丈夫だろうと考えていたのですが、甘かったですね。

こちらを先月発売となったタニタハウジングウェアの新型くさり樋ensuiに交換したい、ということで、本プロジェクトは「既存の半丸たて樋に取り付いた既存くさり樋を、ensuiに交換するためにはどうしたら良いか?」を考える試みとなります。


すでに「竹林の家」の交換事例は先に書かせて頂きました。今回も同じように軒樋ごと交換するという方法もあるのですが、一般事例に置き換えれば、職人さんの手間を考えると、おそらくはパーツの材料費以上に割高な工事費になるに違いありません。

今回はこちらを視野に入れ、軒樋はそのままで既存のラッパを交換するだけで簡単にくさり樋が交換ができるよう、専用のラッパ型アタッチメントを特注で作って頂きました。

はたして、これを使えば素人でも簡単に付け替えができるはず。今回それを実証すべく、我々リオタデザイン(私+スタッフ)だけで付け替え作業に向かいました。


まずこれが、既存のダイヤ型くさり樋です。

ご覧のように根元に通常のラッパを使用しているため、ここで水が広がってしまい、くさり樋にうまく水が集まってくれません。


そこで取り出したのがこちら(ジャジャーン!)

タニタハウジングウェアの担当者(岡田&関口ペア)にお願いして作って頂いた特注アタッチメントです。これ、何が違うかというと



左が通常のラッパ、右側が今回特注のラッパになるのですが、ご覧の通り、落とし口の部分がキュッとすぼまっているのがわかると思います。

お茶を飲むとき、普通は口をすぼめて呑みますよね。口を開いて呑んだら口の端からこぼれてしまいます。つまりこの現象を改善したアタッチメントということになります。


早速交換しました。
ラッパは上部の板を折り曲げて軒樋に引っかけてあるだけなので、工具を使わずとも簡単に付け替えができました。交換に要した時間はわずか20~30分ほどでしょうか。

クライアントにも、もう終わったんですか?と驚かれてしまいました。



外から見ても、最初からそうだったんじゃないかというくらい馴染んでいます。製品コンセプトである「建物と寄り添うデザイン」という思想が、ここでも有効に生きていると感じました。

きっと我々の過去の住宅と同様に、既存のくさり樋の不具合で困っている設計者や建て主さんはたくさんいらっしゃると思うんですよね。あるいは、現在はたて樋を付けているけれど、鬱陶しいから軽やかなくさり樋に替えたいという方もいらっしゃるかもしれません。

現在の軒樋を交換しないでラッパだけで交換できるようになれば、助かる方や喜ぶ方もきっと多くいることでしょう。

で、もうひとつ気づきました。


こちらは先日新築で取り付けた事例なのですが、新築時は軒樋に開ける穴を調整できるのでこのアタッチメントを使わなくても、ダイレクトに取り付けることが可能です。

でも写真のように、近くでよく見ると軒樋の穴位置によっては、板金の”バリ”が見えてしまい少し気になるかもしれません。(担当者曰く、半丸軒樋に直接取り付ける場合は、”バリ”が見えないよう穴を開ける位置にコツがあるそうですが)


その点このくさり樋用のラッパを使うと、この部分が見えないばかりか、形もスッキリさせられるという利点があるような気がします。


ここまで書いてきてなんなのですが、このくさり樋用のラッパアタッチメントは今回特別に作って頂いたもので、まだ製品化はしていないそうです。

担当者としても、今回のような事例用として近い将来にはラインナップに加えたいとのことでしたが、私としては是非前向きに検討して頂きたいと思っています。

同じ思いの方がもしいらっしゃいましたら、設計者の声として是非届けて頂けたらと思います笑。きっとメーカーの開発を後押しするのは、そういう声の集積だと思いますので。

ともあれ、今回も多大なご協力を頂きましたタニタハウジングウェアの岡田さん、関口さんには、この場をお借りして深く御礼申し上げます。

またクライアントのMさん、長らくご不便をおかけしました!
こちらもしばし様子を見てお使い頂けたらと思います。


昨日は朝からずっとOZONEに缶詰の1日でした。OZONE HOUSE MEETINGのイベントでは建築家の伊礼さん、タニタハウジングウェアの谷田社長のトークセッションに、聞き役として登壇しました。伊礼さん、谷田さんお疲れ様でした!

今回は、タニタガルバコンテストでコーディネーターを務めたご縁からご指名を頂き、今回のお役目となったのですが、個人的にも大好きなお二方から直接お話をお聞きできて、大変楽しませて頂きました!最後時間を勘違いして時間オーバーとなりスミマセンでした…汗

伊礼さんからは「日本一の名司会者」の称号を頂いたのですが、伊礼さん、私は日本一の建築家を目指します…。

夜はOZONE登録建築家の報告会&懇親会で、年に一度の顔ぶれにも色々ご挨拶。コンペに負けた相手とのオフレコトークや、あんな話やこんな話。ここでは書けませんが、まあ、皆さんまた呑みましょう。

長い一日でした!

今週末にオープンハウスを予定しています「暁の家」では、軒天井から落ちてくる雨水を、たて樋ではなくくさり樋で処理したいと考えていました。

昨日もアップしたように、タニタハウジングウェアさんの新型くさり樋がとうとう先週10日に発売となったのですが、こちらは今回のような軒天井への取付にはまだ対応していないとのこと。

そこでタニタの担当者、岡田さん&関口さんコンビになんとかならないか、相談を持ちかけたというのが前回までのあらすじとなります。

【タニタプロジェクト・Part2始動】 15/7/31
http://www.riotadesign.com/blog/150731.html


そして今日はいよいよその取付け編です。


ご覧のように天井からは塩ビ管が少しだけ出ています。


そこに関口さんが特注で製作して下さったアタッチメントを取り付けています。

アタッチメントも試行錯誤の末、かなりすっきりシンプルな形に落ち着きました。これだけはガルバリウムではなく、ステンレスを溶接して製作したとのこと。手間がかかっています。


苦労していたようですが、ようやく取り付きました!
シンプルでなかなかイイ感じです。


下はこんな感じです。今回下がウッドデッキになるのですが、デッキに呑み込んで納まるようにしました。デッキの下には、やはり塩ビ管が立ち上がっていて、その先には浸透マスが接続されています。


それを引き出すと…これなんだと思います?

釣りのおもりです。岡田さんと関口さん、それぞれが別々に釣具店の上州屋に行き、一番くさり樋に適した重さのおもりを吟味して購入した結果、二人とも「120号」のおもりを選んだのだとか。すごい、変態!

皆さん、日本一くさり樋を知り尽くしている二人が言うのだから間違いありません。くさり樋をぶら下げるおもりは、ずばり「120号」です!(認定)


室内から見た感じはこんな感じです。これはダイニングからの眺めになります。

雨が降っている時って、意外とどのくらい降っているかわからないんですよね。豪雨ならともかく、しとしと雨の時とか、降っているのか止んでいるのかわからないときもあります。

そんなときは、このくさり樋を見ればいいわけです。ここを伝う滴を見れば、どれだけ強い雨かもわかります。何より楽しいですね。梅雨時にぼうっと眺めているだけで時間がつぶせそうです。


最後にお二人の作品であるくさり樋”ensui”をバックにぱちり。
今回はアタッチメントの試作から製作、そして取り付けに至るまで、すべて岡田さん&関口さんの全面的なご協力を頂きました。

最後までお世話になりまして、本当にありがとうございました!

今回の軒天井用アタッチメントは、今回は試作品ということで、まだ製品化の目処は立っていないそうです。ただ必ずニーズがあると思いますので、是非製品化に向けて検討を続けて頂けたら、設計者としても嬉しく思います。


さて最後に、お二人はたくさんの販促品を置いて帰りましたよ。タダでは帰らない。さすがタニタさん、社員教育が行き届いています。

ハイ、よろこんで!!

というわけで、週末のオープンハウス当日は私が販促部長として皆さまに売り込みたいと思います。くさり樋をご検討の方も是非いらしてくださいm(_ _)m

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