今日は何組かの方々に軽井沢の住宅(蛍沢の家)をご案内しました。すでにご入居後の住宅のため、内覧会というよりごく親しい方数名にお声がけして見て頂き、ご意見を頂く機会とさせて頂きました。

お越しくださった皆様、遠いところをありがとうございました。またご協力くださいました建て主のHさんにも、心より御礼申し上げます。

中でもタニタハウジングウェアの谷田さんは、期待を裏切らず今日も自転車!さすがです。西川さん、佐藤+布施さん、ゆっくりお話しできて楽しかったです。

スタッフとは前日入りして、久しぶりの慰安旅行と兼ねさせてもらいました。ともあれ、絶好の天気で気持ちの良い一日でした!



この季節限定、中庭でスタッフとお昼ごはん。
コンビニのお弁当がこんなにも美味しいとは!

しばし仕事を忘れて、会話がはずみます。

18. 03 / 10

案内状



事務所のOBスタッフ、吉里くんよりオープンハウスの案内状が届く。普通はメールなのに郵送。しかも活版印刷!思わず結婚式の招待状かと思ってしまった。

この住宅は彼にとってはじめての住宅になる。しかもデビュー作にしては出来すぎた好条件の仕事でもあった。そんな彼に、私は工務店から構造家まで一流どころをすべて紹介した。この案内状からも、彼の「チャンスを必ずものにしてみせる!」という意気込みがひしひしと伝わってくる。

ちなみに、私にとってはじめての住宅ができたのは15年も前のこと。のちに知ったのだけれど、まだ20代前半だった彼は、実はこの時のオープンハウスにも来ていたのだという。彼がうちに入社するのはそれから10年後のことだ。

建築家にとってはじめての仕事は、今後を占うものになる。彼の覚悟を見てみたい。

17. 12 / 23

二宮の仕事



愛媛在住のリオタデザイン初代スタッフ二宮くんから、彼が関わった懸造りの少彦名神社改修工事の立派な工事報告書が届きました。改修を終えたこの建物は、昨年ユネスコアジア太平洋文化遺産保全賞にて最優秀賞を受賞しました。

彼からは以前より、この建物の保全に関わっている旨を聞き、また今回の受賞にも喜びつつも、彼がどこまで関わっているのか(実は末席でちょこっと絡んでるだけなんじゃないかとか)など、ちょっと疑っていたのですが(二宮ごめん)、クレジットに設計者として堂々と彼の名前を見つけ、とても誇らしい気持ちになりました。


しかし図面を実に良く描いてある。今のスタッフにも見せたいくらい。新築と違って、この手の復元図面は正確に描くことがとても難しいのだけれど、根気強く丁寧に仕事に向き合ったことが伝わってきます。

そして何より、私が徹底して教え込んだリオタデザインの図面流儀が端々に見て取れて、それが彼の中に今も流れ続けていることを感じ、それが何より嬉しかったことでした。

今のスタッフにもそうですが、私は図面を前にすると鬼になります。本当に申し訳なくなるくらい(みんなごめん)。彼も本当に落ちこぼれスタッフだったけど(二宮ごめん)、別の事務所に移ったのちに暮れに電話をかけてきて、私から叩き込まれた仕事の流儀がとても役立っていること、同僚からも一目置かれていることなどを嬉しく話してくれて、涙が出そうになったことを思い出しました。

彼がこの報告書を箱いっぱいの愛媛みかんと共に送ってきてくれたことを、無言のメッセージとして受け取りたいと思います。二宮、重いよ。


スタッフが受験していた一級建築士の二次試験(製図試験)が先週末に終わったらしい。

私も一度は通った道とはいえ、一次の学科試験とあわせての合格率がたったの12%というのは、国家資格の中でもかなりの難関に入るのではないかと思う。まだ結果は出ていないけれど、昨日はまずはそんなスタッフの労を労った。

ただ、その上で思うことがある。これはずっと思ってきたことだ。

一級建築士の二次試験(製図試験)は6時間半もの長丁場となる。いわゆる即日設計の試験で、事前に課題(テーマ)は公表されているが、敷地形状や要求事項などは当日にならないとわからない。ちなみに今年の課題は「小規模なリゾートホテル」だったそうだ。

しかしこのわずか6時間半の製図試験で、設計者の一体何が分かるというのだろう。

冷静に考えてみて欲しい。我々の行う住宅設計だって6時間半で設計することなんてない。自分が設計を依頼した設計者の提案が、いくら優れているからといって、前日に半日ほど考えただけのものだったとしたら。法的に問題ないとか、構造的に安全とか言われたって、私はそんなの嫌だなと思う。

ましてやもっと複雑なリゾートホテルを、そんな短時間で設計させることに何の意味があるのだろう。益子義弘先生の「ホテリ・アアルト」が6時間で設計出来るだろうか。そんな試験をパスする能力って、どんな能力なんだろう。

私が1年間留学したフィンランドの大学は、卒業と同時に「建築家(Architect)」の資格がもらえる。逆に言うと、大学の卒業設計は建築家資格の認定試験を兼ねているということになる。

それはつまり、6~10年(フィンランドは10年生がざらにいる)の大学在籍期間中に学んだことの総決算としての資格審査が行われるということになる。だからそれは試験日にたまたま風邪を引いたからといって無になるようなものではないし、また直前に数ヶ月勉強したからといって取れるものでもない。

日本の建築士制度は、欧米の建築家(Architect)制度とは異なるものであろうが、たった一日、6時間半の時間で要領よく図面を描けた人が建築士だなんてナンセンスだと私は思う。設計とは本来そんなものではないはずなのに。


なんてボヤキを呟きながらも、苦労して勉強を続けてきた我がスタッフには、祝福されるべき結果が待っていることをただただ祈るのだった。

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