光源が丸見えのアーティチョークに、ウレタン塗装でテカテカのウェグナー。そして世界一有名なスツールに良く似た、世界一売れてる○KEAのスツール…。

もちろんどれも模造品。思わず、芸能人を格付けする番組を思い出しました。すべて正規品で揃えていたら、これらだけで軽く1000万は越えるでしょうね。アーティチョークの照明だけで、本物は80万円以上しますから。

ほかのお客さんは、それが模造品であるかどうかはもちろんのこと、本物がどういうものかということにも全く興味はないと思います。でも私は気になる。すごく気になる。

せいぜい画面から消されぬよう気をつけましょう。一流芸術の地、上野公園にて。


昔小学生の頃、友達と近所の川によく釣りに行った。

前日の晩は興奮で眠れず、明日はきっとすごく釣れるんじゃないかと期待していたにもかかわらず、翌朝川に着いて釣りをはじめると、ほんの数時間でその期待は見事に裏切られる。

それがほぼ毎回のことだったはずなのに、懲りずに僕らは毎週のように川に通った。それはとりもなおさず、みんなと釣りそっちのけで川で遊ぶのが楽しかったからだ。

盛りあがったのは花火だった。中でもロケット花火を対岸に向かって発射するという遊びが流行った。川幅は大きかったが、発射角度を調整すれば十分に対岸に届かせることができた。僕らはロケット砲による仮想敵への攻撃に夢中になった。

対岸にも釣りをしている人がちらほら居たけれど、子供の好奇心と楽しさの誘惑には勝てなかった。僕らなりにちゃんと人に当たらぬよう気をつけていたけれど、黙っていた対岸のおじさんも、最後には堪忍ならんという感じで「コラッ!!」と怒り始める。

ところが対岸の火事とはこのことだろう。川幅もあって、向こうがこっちに攻めて来れないことをわかっているから、僕らはますます調子に乗った。今考えるとすごく危険で非常識きわまりない遊びだったと思う。

そんな昔の若気の至りについて最近思う。
なんのことを書いているかは、お察し下さい。

スタッフの一人が今年一級建築士受験で、今月に入ってからは最後の追い込みということで、有給休暇フル稼働で試験勉強に明け暮れていました。建築の世界では2月ではなく7月が熱い暑い?受験シーズンとなります。

昨日23日はその受験日。私は受験生を持つ親のごとく、月曜日に出社してきたらスタッフにどう声をかければ良いかと気を揉んでいましたが、開口一番「学科通りました!」とのこと。良かった!!

ついでに、毎年取りこぼし続けていたOBスタッフからも「今年は通りました!」との電話。今年は良い年です。この勢いでみんな二次の製図試験も一発で通ってもらいたいところ。

一級建築士資格は「足の裏の米粒」(つまり取っても食えない)とは業界では有名な格言ですが、私はそうは思いません。食えるかどうかは本人次第。そして将来独立するにしても、あるいはしなくても、資格を持っていればどんな未来だって選べるのです。

だから資格を取るのは自由を得るため。当時の私も喉から手が出るくらい欲しかったその自由の翼を、君たちも是非手に入れてもらいたい。

でもお願い。
手に入れたからといって、すぐに羽ばたいていかないでね!


建築家の谷尻誠さんが東京事務所を移し、同時に設けた「社食堂」と称した食堂が話題になっている。いわゆる”社員”向けの食堂を”社会”にも開放するというこの試み、一般の人でも食事が出来るそうだ。

[社食堂] https://www.facebook.com/shashokudo/

ところが、写真を見て「ん?」と思った。
ここってもしかして、と思ったら、5年前にリオタデザインが10周年記念イベントを行わせて頂いたケースギャラリーがあった場所だった。ケースギャラリーも最近場所が移ったのは知っていたけれども、その場所に谷尻さんの事務所が入ったとは知らなかった。

それにしても懐かしい。
そう思って、当時の写真を開いてみた。(2012年10月6日当時)




わずか5年前の出来事とは思えないくらい、当時と今とでは私を取り巻く環境がずいぶん変わってしまった。ここに写るスタッフ達も皆退職し、現在は独立している。当時進行中だった計画は竣工し、いくつかはその後リオタデザインの代表作にもなった。

イベントは2部構成で、1部で私がリオタデザイン10年の歩みをお話しし、その後レセプションを行った。当時のスタッフとアイデアを出し合い、経費を節減しながら手作りで作り上げた会だった。会場を提供して頂いたケースギャラリーの湯川さんにも大変お世話になった。記録写真もいつも竣工写真を撮って頂く後関さんに撮って頂いた。





あらためて写真を見ると、ずいぶんと多くの方に来て頂いていたのだと驚く。その時は必死で、会が終わった後も写真をちゃんと見返すことをしなかった。

今もなお続く人間関係もあれば、ちょっと懐かしい顔もちらほら。それでも、こんな方にも来て頂いていたのだと驚くような顔もあって、今さらながらに冷や汗が出る。

熱が入りすぎて3時間くらいしゃべってしまったこと、思いのほか人がいらして料理が全然足りなかったこと、ご挨拶できなかった方がたくさんいらしたこと。どれも思い出すと「やっちまった」という感じなのだけれど、いらした方の温かな言葉の数々に、スタッフ一同とても報われたことは今でもよく覚えている。





そんなリオタデザインは今年で15周年。

そう書くとそうなんだと思うくらいで、特に感慨も節目感もないのだけれど、あらためてたくさんの方に支えられて今ここにいることを実感する。クライアント、そして一番身近にいて支えてくれる家族やスタッフにも感謝したい。変わらぬ関係でいてくれる仲間達にもありがとうと言いたい。

あと5年、20周年を迎える頃には私は50歳になっている。全く想像がつかない。もっとも、今の自分では想像がつかないようなことになっていてほしい。もちろん良い意味でだけれども。


2012年10月6日
10周年イベント『リオタデザインの10年』@ケースギャラリーにて


クライアントでもある、グラフィックデザイナーで装丁家の小口翔平さんの主宰するデザイン事務所tobufuneさんの、初の個展があるということで昨日初日にお邪魔してきました。

第1回 tobufune 展「船と装丁」
2017年3月7日~19日 @神保町 gallery福果
http://tobufune.blogspot.jp/2017/01/blog-post_28.html

仕事柄いろんな職業の方にお会いします。その中で、建築をやっていなかったらこの仕事をやりたい!とたまに思える職業があり、編集者さん、写真家さんなどいろいろあるのですが、グラフィックデザイナーはそのひとつでもあります。

こんなことを言うと、その職業の方にはそんな甘いもんじゃないよと諫められそうですが、もちろんそんなことは百も承知の上で、みなさんが「建築って楽しそうなお仕事ですね」とおっしゃるのと同じようなノリで言わせてもらえれば、グラフィックは楽しそう!とついつい思ってしまいます。


この個展の主旨がとってもユニークなのですが、普段tobufuneさんはビジネス書の装丁をおもにデザインされているそうで、小説の装丁というのはほとんどやらないのだそうです。

そこで、自分たちで”勝手に”小説の装丁をデザインしてみようということで、tobufuneにちなんで”船”が登場する小説を何冊か選び、それを題材としてスタッフ全員がそれぞれ装丁を作られたそうです。


まぁここまでなら、美大の課題制作などにもあるかもしれませんが、ここからが違います。それぞれのテーマを割り振られたスタッフの皆さんは、プロのイラストレーターさんに表紙画を発注。

それを素材としてデザインを起こし、さらにそれを印刷所で高度な印刷技術を駆使して制作されています。この時点で、かなり完成されたプロの業を見ることができます。

またそのどれもが、一般の人があまり見たことのないような技法で作られており、現代の印刷技術はここまで進んでいるのかという驚きと、本当にこんな装丁があったら楽しいだろうなとわくわくする思いで手に取らせてもらいました。


ここに載せているのは小口さん自らの装丁によるものですが、この「老人と海」などはこれを数部刷るだけで途方もない費用がかかっているそうです。文字は金箔。この崩し文字もたまらないですね。

ほかにも、スタッフさん渾身の装丁が勢揃いしています。「ウレタン発砲印刷」や「UVインクジェットを使って絵の具で描いたような文字」など、素人には想像もつかない技術で作られているものも多数あります。

これらはもちろん量産には向かないでしょうが、だからこそこうした個展の題材とするに相応しいテーマであるように思います。なにより発注主のいない仕事をするという気概と自由さにやられました。


小さなギャラリーで開催中ですが、グラフィックに興味のある方、本の好きな方は必見です(あ、だから神保町で開催なのか)。行かれた方は是非在廊のスタッフさんに話しかけてみて下さい。きっと面白い話を聞かせてもらえますよ。

そんな小口さんの家を我々が設計しているということは、小口さんご家族の立体装丁を作っているということになるのかもしれませんね。そんな小口さんの家はどんな住宅なのか、また想像されてみて下さい。

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